シンデレラ体重は病気のリスク大!原因や健康なダイエット法を管理栄養士が解説

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シンデレラ体重は、「低体重」の状態です。

結論から申し上げると、無理なダイエットでシンデレラ体重まで痩せると病気にかかるリスクは高くなります。

ほっそりしたスタイルの良い体型に憧れ、極端なダイエットをしている方も多いでしょう。そんな方は、身体に思わぬ悪影響を与えている可能性があるのです。

そこで本記事では、シンデレラ体重が招く病気や、心身に与える悪い影響について解説します。

後半では、健康的に痩せる方法もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

【シンデレラ体重は病気のリスク大】国も問題視するほど危険

シンデレラ体重は、BMIが18となる体重であり、「低体重」に分類されます。

よって、シンデレラ体重は「不健康」な状態であり、さまざまな病気のリスクを高めることを覚えておきましょう。

現代では、女優やアイドルの方でシンデレラ体重の方が多く、細く華奢なスタイルに憧れて若い女性がダイエットの目標にします。

そこで、極端な食事制限などを行い、主に栄養不足やストレスから病気や健康状態の悪化を招いているのです。

厚生労働省も、「若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題」として、問題視するほど危険な状態なのです。

では、具体的にどのような危険性があるのでしょうか。

シンデレラ体重が招く病気や、心身に与える悪影響について詳しく見ていきましょう。

シンデレラ体重が招く病気や心身に与える悪影響5つ

シンデレラ体重が原因で起こる病気や心身の変化は5つです。

  1. 不妊や生理不順
  2. 骨粗鬆症
  3. 貧血
  4. 摂食障害・うつ病
  5. 低体重時や子の生活習慣病リスク

順に解説します。

不妊、生理不順

シンデレラ体重まで無理に痩せると、不妊や生理不順など婦人科系の不調を招きます。

過度なダイエットによる栄養不足やストレスにより、自律神経が乱れて女性ホルモンの分泌が上手にできなくなるためです。

10代や20代前半の方も、今の過度なダイエットが原因で、結婚後に出産を希望した際に不妊を告げられたら後悔しかないでしょう。

シンデレラ体重まで無理に痩せる大きなリスクのひとつです。

骨粗鬆症

シンデレラ体重のように低体重の女性は、骨量や骨密度が減少し、骨粗鬆症になる可能性が高まります。

極端な食事制限により、骨のもととなるタンパク質やカルシウムが不足したり、骨を成長させる女性ホルモンの分泌が減少してしまうためです。

骨量や骨密度が低下すると、転倒や骨折のリスクも高まります。

今は若さでなんとかなっていても、将来他の人よりも早く身体が動かなくなったり、骨折して寝たきりになったりということも考えられます。

貧血

シンデレラ体重のために偏った食事を続けた結果、慢性的に鉄分が不足して貧血を起こすこともあります。

とくに、カロリー制限のために肉や魚を食べていない方は気をつけましょう。

鉄は、もともと食事から吸収するのが難しい栄養素です。そのうえで食事の摂取量を減らせば、ますます不足してしまいます。

鉄分を豊富に含む赤身肉や貝類、鉄分の吸収を促進するビタミンCが豊富なフルーツやブロッコリーなどを一緒に食べるのがおすすめです。

摂食障害・うつ病

シンデレラ体重を過剰に意識してダイエットに取り組んだ結果、摂食障害やうつ病を発症する方もいます。

綺麗になりたくて始めたダイエットなのに、「痩せなければ」「細くないと可愛くない」などの強迫観念に陥ってしまい、精神までも破壊してしまうのです。

心の病は治りにくく、一度なってしまうと繰り返す傾向もあります。

それでも、あなたにとって「シンデレラ体重」がベストなのか、改めて考えてみましょう。

低体重児や子の生活習慣病リスク

シンデレラ体重の方が妊娠した場合、産まれてくる子供も低体重児になりやすいです。

低体重児は普通に生まれた子に比べ、少ないエネルギー量で生きていけます。それなのに同じだけ食べ続ければ、低体重児の方が体脂肪を蓄えやすくなり、生活習慣病を発症する確率も高くなるのです(※)。
※参照:厚生労働省「若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題」

 

このように、シンデレラ体重で起こりうる病気や不調は、今の自分だけでなく、将来の自分、そして未来のお子さんにまで影響を与える可能性があると分かりました。

お分かりの通り、シンデレラ体重を目指すための極端なダイエットに良いことはありません。

せっかくダイエットに取り組むなら、栄養素のあるものをたっぷり摂取して、筋肉と程よい脂肪がついた健康的な身体になりたいと思いませんか?

ここからは、体重だけにとらわれない健康的な身体を作るための、理想的な食事法について管理栄養士が徹底解説していきます。

【管理栄養士が解説】体重にとらわれず健康的に痩せるための食事法

シンデレラ体重を重視するのはやめて、食事から必要な栄養素をしっかりと摂取し、鏡に映る自分が魅力的な体型になることを意識しましょう。

では、健康的に痩せるための食事法を解説していきます。

3食バランスの良い食事を食べる

3食バランスの良い食事を食べましょう。

1日1食生活や、断食をしてしまうと、身体が飢餓状態と判断し脂肪を溜め込みやすい身体になってしまいます。

「3食は食べすぎ」という意見もありますが、しっかり栄養バランスとカロリーを考えれば太ることはありません。

いろいろな「色」の食材を使う

赤・緑・黄色・白など複数の色を食事に取り入れます。色彩を意識すると自然とさまざまな食材を食べられておすすめです。

色彩別に具体的な食材を紹介します。

  • 赤:人参、パプリカ、トマト、赤身肉、まぐろ
  • 緑:ほうれん草、ブロッコリー、サニーレタス
  • 黄色:パプリカ、ミニトマト、ゴールデンキウイ
  • 白色:白ご飯、きのこ類、白身魚
  • 黒色:海藻類、胡麻

味のメリハリをつける

味のメリハリをつけることも大切です。

すべて味が濃ければ白ご飯を食べすぎて太ったり、味が薄すぎれば食事が楽しくなくなったりしてしまいます。

1品は濃いめの味付けでパンチを効かせたら、もう1品は調味せず素材の味を楽しむなど工夫してみましょう。

ご飯:肉・魚:野菜・きのこ=1:1:2

ご飯:肉・魚:野菜・きのこ=1:1:2のバランスを意識すると、太りにくい献立を作ることができます。
糖質や脂質が適量となり、食物繊維をしっかりと摂れるためです。

食事の量やカロリーを「制限」する前に、今の全体量のままでいいので、「食材の割合を改善」してみてください。

一番多く食べていいのは、白ご飯でも肉でもなく「野菜」や「きのこ」です。

まとめ

シンデレラ体重にとらわれて過度な食事制限を行ったり長期間低体重の状態を続けたりすると、病気になる可能性が高くなります。

例えば、不妊・骨粗鬆症・貧血などがありましたね。

また低体重児の出生率も高くなり、将来の我が子が生活習慣病になる可能性も否定できません。

無理にシンデレラ体重を目指すのではなく、あなたのことを大切にできる無理のないダイエットに取り組みましょう。

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